Loose Ends / Love's Got Me - 90s UK Soulの成熟が香る、都会的で知的なMellow Groove

Loose Ends / Love's Got Me

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90s UK Soulの成熟が香る、都会的で知的なMellow Groove。今回レコメンドするのは、Loose Endsのキャリア後期を代表する1曲 Love’s Got Meです。80年代前半からBrit Funk〜UK Soulシーンを牽引してきた彼らが、90年代という新しい時代感覚をしなやかに取り込み、無理なくアップデートした完成度の高いナンバーとなっています。


繊細なギターと芯のあるビート感覚

イントロから印象的なのは、爪弾かれるような繊細なギター・リフ…その隙間を縫うように、James Brown / Funky Drummerのブレイクを基調としたドラムが、タイトかつしなやかにグルーヴを形成していく。決して前に出過ぎないが、身体の芯にジワリと効いてくるこのビート感覚こそ、Carl McIntoshのプロデュース・センスの真骨頂ですね。


成熟した大人のR&Bが持つ余裕

ヴォーカルは終始スムースで柔らかく、恋に落ちたときの高揚感と戸惑いを、押しつけがましくなく描写しています。リリックは「愛に身を委ねてしまった自分」を肯定的に受け止める内容で、成熟した大人のR&Bらしい余裕と包容力がカンジられますね。ハデなフックで惹きつけるのではなく、何度も繰り返して聴くうちに染み込んでくるタイプの楽曲です。


1991年UKシーンの空気を自然に吸収

本作がリリースされた1991年は、UKではAcid JazzやRare Grooveリヴァイヴァルがクラブとラジオの両面で盛り上がりを見せていた時代でした。Loose Endsもその空気感を自然に取り込み、HipHop的な質感や、En Vogue / Hold Onからサンプリングしたベースラインの引用をさりげなく忍ばせている。この「解る人には解る」感覚のアレンジが、DJたちからの評価を高めた要因でしょうね。


US Promo 12インチならではの魅力

今回紹介しているUS Promo盤12インチには、アルバム収録の3:34ヴァージョンを大胆に拡張したExtended Vocal Version(6:04)がA面に収録されています。後半にかけてダビーに展開していく構成はクラブ・ユースを強く意識したアレンジで、ミックスの中でも自然に溶け込みながら、確かな存在感を放つ展開を聴かせてくれます。一方、B面のRadio Editは単なる短縮版ではなく、ヴォーカル・ダブ的処理が施された全くの別ミックスで、このPromo盤のみの収録という点も見逃せない。先行シングル Don’t Be A Fool ホドのヒットには至らなかったものの、内容のクオリティは非常に高く、今の耳で聴くと評価が一段上がるタイプの楽曲ですね。UK Soul、Acid Jazz、90s R&Bが交差する地点に佇むこの1枚は、静かな夜や、セットの流れを美しく整えたいDJにこそ手に取ってほしい12インチです。

 

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